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Promise.any()

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This feature is well established and works across many devices and browser versions. It’s been available across browsers since ⁨2020年9月⁩.

Promise.any() は静的メソッドで、入力としてプロミスの反復可能オブジェクトを取り、単一の Promise を返します。この返されたプロミスは、入力のプロミスのいずれかが履行されたときに、この最初の履行値で履行されます。入力のプロミスがすべて拒否された場合(空の反復可能オブジェクトが渡された場合を含む)、拒否理由の配列を格納した AggregateError で、拒否されます。

試してみましょう

const promise1 = Promise.reject(new Error("error"));
const promise2 = new Promise((resolve) => setTimeout(resolve, 100, "quick"));
const promise3 = new Promise((resolve) => setTimeout(resolve, 500, "slow"));

const promises = [promise1, promise2, promise3];

Promise.any(promises).then((value) => console.log(value));

// 予想される結果: "quick"

構文

js
Promise.any(iterable)

引数

iterable

プロミスの反復可能オブジェクトArray など)です。

返値

次のような Promise です。

  • 渡された反復可能オブジェクトが空の場合は、拒否済みになります。
  • 渡された反復可能オブジェクトのいずれかのプロミスが履行された場合、非同期に履行されます。履行値は、最初に履行されたプロミスの履行値になります。
  • 指定された反復可能オブジェクトにあるすべてのプロミスが拒否された場合、非同期に拒否されます。拒否理由は AggregateError で、その errors プロパティに拒否理由の配列が格納されています。エラーは、完了順に関係なく、通過したプロミスの順番になります。渡された反復可能オブジェクトが空でなく、待機中のプロミスを含んでいない場合、返されたプロミスは(同期的ではなく)非同期に拒否されたままです。

解説

Promise.any() メソッドはプロミスの並行処理メソッドの 1 つです。このメソッドは、最初に履行されたプロミスを返すのに有益なものです。最初のプロミスが履行された後は短絡的に処理するので、一つを見つけると、他のプロミスが完了するのを待つことはありません。

メモ: 日本語の技術文書では、このメソッドが複数のプロミスを並列に処理すると説明されることがありますが、実際には複数のスレッドでプロミスが処理されるわけではないことに注意してください。詳細はプロミスの並行処理を参照してください。

Promise.all() が履行された値の配列を返すのとは異なり、 1 つの履行値だけを取得します(少なくとも 1 つのプロミスが履行されることを想定しています)。これは、履行されるプロミスが 1 つだけ必要で、どれが履行されるかは気にしない場合、有益なことがあります。もう一つの異なる形に注意してください。このメソッドは、空の反復可能オブジェクト を受け取ると拒否します。なぜなら、正直に言うと、反復処理オブジェクトには、履行されるアイテムが格納されていないからです。Promise.any()Promise.all()Array.prototype.some()Array.prototype.every() で比較することができます。

また、 Promise.race() が最初の 決定された 値(履行されたか拒否されたか)を返すのとは異なり、このメソッドは最初の 履行された 値を返します。このメソッドは、最初に履行されたプロミスまでのすべての拒否されたプロミスを無視します。

最初に履行されるもの

Promise.any() は、先に拒否されたプロミスがあったとしても、最初に履行されたプロミスで解決されます。これは Promise.race() が、最初に決定されたプロミスで解決または拒否されるのとは対照的です。

js
const pErr = new Promise((resolve, reject) => {
  reject(new Error("常に失敗します"));
});

const pSlow = new Promise((resolve, reject) => {
  setTimeout(resolve, 500, "結局、完了しました");
});

const pFast = new Promise((resolve, reject) => {
  setTimeout(resolve, 100, "すばやく終わります");
});

Promise.any([pErr, pSlow, pFast]).then((value) => {
  console.log(value);
  // pFast が最初に履行される
});
// ログ出力:
// Done quick

AggregateError での拒否

Promise.any() は履行されたプロミスがないと AggregateError で拒否されます。

js
const failure = new Promise((resolve, reject) => {
  reject(new Error("常に失敗します"));
});

Promise.any([failure]).catch((err) => {
  console.log(err);
});
// AggregateError: No Promise in Promise.any was resolved

最初に読み込まれた画像の表示

この例では、画像を読み込んで blob を返す関数があります。 Promise.any() を使用して二つの画像を読み込み、先に利用可能になった方 (つまり、プロミスが解決された方) を表示します。

js
async function fetchAndDecode(url, description) {
  const res = await fetch(url);
  if (!res.ok) {
    throw new Error(`HTTP error! status: ${res.status}`);
  }
  const data = await res.blob();
  return [data, description];
}

const coffee = fetchAndDecode("coffee.jpg", "Coffee");
const tea = fetchAndDecode("tea.jpg", "Tea");

Promise.any([coffee, tea])
  .then(([blob, description]) => {
    const objectURL = URL.createObjectURL(blob);
    const image = document.createElement("img");
    image.src = objectURL;
    image.alt = description;
    document.body.appendChild(image);
  })
  .catch((e) => {
    console.error(e);
  });

仕様書

Specification
ECMAScript® 2026 Language Specification
# sec-promise.any

ブラウザーの互換性

関連情報