スターマー英首相訪日、高市首相をイギリスに招く

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シャイマ・ハリル東京特派員、レイチェル・ムラー=ハインディク記者
イギリスのキア・スターマー首相は1月31日、東京を訪れ、日本の高市早苗首相と会談した。会談後の記者会見で両首脳は、スターマー氏が高市氏をイギリスに招待したことを明らかにした。スターマー首相は、両国関係は「過去数十年」の中でも「最も強固だ」と述べた。
スターマー首相は訪日に先駆け、イギリスと中国の関係を再始動させるため、中国を4日間にわたり訪問していた。
イギリスと日本の両首相は東京の首相官邸で記者会見、「共有する価値観」について協議したと述べた。インド太平洋地域全体での防衛とパートナーシップの強化を含め、貿易と安全保障の関係深化に向けた方針を示した。
日本では今月8日に総選挙が行われる。そのため、スターマー首相による今回の訪日の成果は、高市氏率いる与党・自由民主党の今後に左右される。
他方、東京での首脳会談は、周辺地域の緊張が高まる中で行われた。高市氏が昨年11月に、中国と台湾の紛争に日本が巻き込まれる可能性に言及したことを機に、日中関係の緊張が続いている。
スターマー首相は、世界情勢の不安定化が進む中、イギリスと日本の両国が「強さと明確さ」でもって対応する必要性について、高市首相と一致したと述べた。さらに、高市氏が「ウクライナ支援で揺るぎない指導力」を発揮していると感謝した。
両首脳は、夕食をとりながら協議するワーキング・ディナーに臨んだ。これに先立ち高市首相はスターマー氏について「お元気そうだ」と述べ、ロンドン近郊にあるイギリス首相公式別荘「チェッカーズ」へ招待されたと明らかにした。今年中に「諸般の事情が許すタイミングで訪英」する見通しを、高市氏は示した。
スターマー氏は20分間の首脳会談後、「このすぐ後の夕食を楽しみにしている。その後にも会談できると、期待している」と述べた。
スターマー氏はさらに、イギリスと日本は「欠かせない重要な利益と原則を共有している」とし、その利益と原則を両国が「一緒に推進していくことを楽しみにしている」と話した。
スターマー首相は加えて、「自由で予測可能な貿易が行われることが、(両国にとっての)明確な利益」だと指摘。「重要鉱物などの重要分野」でサプライチェーンを改善する方針だと述べた。

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高市首相は、「複雑な危機に直面する21世紀の国際社会において、日英の新時代を築いていくために、キアとますます緊密に協力していきたいと思います」と述べた。
両首脳の協議では、防衛分野が主要なテーマになるとみられた。とりわけ、イギリス・日本・イタリアの3カ国が共同開発する次世代戦闘機や共同軍事演習が重要項目となると予想された。
日本は世界第4位の経済大国で、イギリスにとっては欧州以外で最大級の投資国の一つ。
スターマー首相の今回の東アジア歴訪では、「バランス」が大きい課題だった。イギリスと中国との関係をリセットしながらも、日本やその他の同盟国に対し、イギリスがアジアの安全保障を重視し続けており、地域における中国のリスクをイギリスとして正確に認識していると示すことが求められた。

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台湾に関する高市氏の発言は中国政府を怒らせたが、高市氏のその姿勢は8日の総選挙では政権にとって追い風になるとみられている。
神田外語大学のジェフリー・J・ホール講師は、スターマー氏の短い東京訪問は高市氏に「きわめてありがたい」ことだろうと指摘する。
「日本側からすると、今回の訪問で何より大事な点はタイミングだった。主要な選挙の真っ最中なので」とホール氏は述べた。
「高市首相は基本的に、初の女性首相で、かつ外交で成功しているからという人気を拠り所に、今回の選挙を戦っている」
東京訪問で東アジア歴訪を締めくくったスターマー首相は、中国がイギリスから輸入するスコッチウイスキーの関税引き下げや、イギリス人による30日以内の中国訪問に対するビザ(査証)免除について合意を獲得した。
イギリス首相官邸によると、今回の中国訪問を通じて、計22億ポンドの輸出契約も確保したと述べた。
スターマー氏と中国の習近平国家主席との会談後、中国はイギリスの議会議員への制裁を解除することにも合意した。











